園芸用語集

  • 「あ」からはじまる用語一覧

    青枯病(あおがれびょう)
    野菜の茎や根についた傷口から水を介して侵入し、植物の維管束内で増殖し維管束の通水を悪化させることから萎凋が起き植物が枯死する。被害株は周りに広がる前に早めに根から抜き取り処分する事が必要。
    赤玉土(あかだまつち)
    関東平野の火山灰層である「関東ローム層」の地層からとれる土のこと。通気性や水はけ、保水性のバランスに優れており、肥料成分を含まない清潔な土として、幅広い植物の栽培に使用される。基本的に腐葉土と肥料を配合して使われるが、単体で挿し木用土としても使われる。
    アブラムシ
    カメムシ目のアブラムシ上科に属する昆虫の総称。口針で植物の樹液を吸う害虫で、植物の上に集団で生活する。特定のウイルスを媒介するため放置していると農作物がウイルス病にかかってしまい、作物に甚大な被害を被るので、見つけ次第速やかに防除を行う必要がある。
    雨よけ栽培(あめよけさいばい)
    雨がかからないようにフィルムで被覆して野菜を栽培する方法。ビニールハウスの天井部分だけにフィルムを貼り、作物に雨があたらないように栽培することにより病害の発生が少なく品質・収量が向上する。
    アンモニア態窒素(アンモニアたいちっそ)
    NPKの中のNで表される肥料成分である窒素は硝酸態窒素、アンモニア態窒素、有機態窒素の3つに大別される。アンモニア態窒素は窒素成分のうちアンモニウム塩であるものを言う。畑作物は単独の窒素源として硝酸態窒素を好むものが多いが、水稲はアンモニア態窒素を好む好アンモニア性植物である。
    あんどん
    風よけや保湿効果のため、作物の植え付け後に、作物を囲うように被せる、肥料袋などの底を抜いたもの。肥料袋ではなく、新聞紙などを用いることもある。
    移植(いしょく)
    植物を植え替えること。元々育てていた場所から異なった場所に植え込み、そこで育てるようにする行為を指す言葉で、ポット苗を鉢や庭に植え替えたり、地植えの植物を別の場所に移動する時に使用する。
    移植ゴテ(いしょくゴテ)
    野菜や草花の移植の際に使用する小型のスコップのこと。土を軽く耕したり、植穴を作ったりするときに使用する。
    一代交配種(いちだいこうはいしゅ)
    F1品種と同意語。遺伝子(系統や品種)の異なる親を2つ以上掛け合わせて得られる次の世代のこと。この一世代に限り親よりも優れ収量が安定して得られるとされている。
    一年草(いちねんそう)
    種をまいて1年以内に発芽し、花が咲き、種をつけ、枯れる植物のこと。「一年生植物」とも呼ばれる。
    1番花(2番花)(いちばんか)
    植物の1つの株の中で最初に咲く花、花房のこと。続いて花が咲く順番に「2番花」、「3番花」・・・と呼ぶ。
    萎凋(いちょう)
    草花が水分不足となり、萎れて元気がなくなる状態のこと。
    稲わら(いなわら)
    収穫したイネの籾を取り去ったもの。野菜などを栽培する際地面に敷くことで、雑草や害虫の発生を抑えたり、地面の温度を適度に保つ目的で使われる。
    植え傷み(うえいたみ)
    植え付けや、植え替えを行ったときに起こる障害。生育が止まる、葉が落ちるなどの症状が起こる。植え替えを行う際に根が切られたり傷つく事により、水を十分に吸収できない状態なのに、葉からは水が蒸散するために体内の水分が不足する事が主な原因である。酷いときには枯れてしまうこともあるので、植え傷みが起こらないように、植え付けや植え替えは適期に行わないとならない。
    うどんこ病(うどんこびょう)
    葉や茎がうどん粉をかけたように白くなる病気。胞子で空気伝染する病害で、さまざまな植物で発生する。
    畝(うね)
    作物を植え付けたり種をまいたりするため、畑の土を盛り上げた部分のこと。水はけをよくする効果がある。
    液体肥料(えきたいひりょう)
    液状の肥料で水やり時に追肥として用いる。粉状や粒状の肥料よりも効果が早くでる。
    F1品種(えふわんひんしゅ)
    遺伝子(系統や品種)の異なる親を2つ以上掛け合わせて得られる次の世代のこと。雑種第一代や、ハイブリッドなどと呼ばれる事もある。この一世代に限り親よりも優れ収量が安定して得られるとされている。
    晩生(おくて)
    通常よりも成熟が遅く、種まきしてから収穫までの期間が長いもののこと。同じ作物であっても、生育の早いものから早生中生、晩生の品種に分類される。
    オンシツコナジラミ
    コナジラミ科に属する昆虫で温帯域に生息する。ビニールハウスや温室の中でよくみられ日本でも農作物に被害をもたらしている。さまざまな野菜、花、雑草などに寄生して吸汁することにより加害し、作物の生育を悪くする。野外では1年に3~4回、温室内では1年に10回以上発生すると言われている。「甘露」と呼ばれる排泄物はスス病菌の繁殖の原因となる。
    置き肥(おきごえ)
    施肥方法のひとつで、固形状の肥料を土の表面に置く。水やりのたびに少しずつ肥料成分が溶けることにより、ゆっくりと長い間効果がある。
    遅霜(おそじも)
    4月~5月上旬頃の季節外れの霜のこと。最低気温が3℃以下になると遅霜が懸念される。霜とは大気中の水蒸気が氷の結晶となって地面や地物に付着したものの事を指し、寒さに弱い植物では霜にあたった事によって枯れてしまう事も少なくないので、注意が必要。
    お歯黒(おはぐろ)
    ソラマメの莢(サヤ)の縁にへこんだ黒い線のこと。芽や根が出てくる部分。お歯黒が緑色のものは若く、黒色のものは豆が熟している状態。
  • 「か」からはじまる用語一覧

    塊茎(かいけい)
    ジャガイモのように、地下茎の一部が肥大化したもの。
    化学肥料(かがくひりょう)
    鉱物などの無機物を原料とした肥料のこと。化学肥料には、「単肥」と呼ばれ無機養分1つのみを保証する肥料と、「複合肥料」と呼ばれ窒素、りん酸、カリウムのうち2つ以上の成分を保証する肥料がある。
    果菜類(かさいるい)
    果実または種実を食用にする野菜の種類のこと。トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、シシトウ、イチゴなど。
    活着(かっちゃく)
    移植挿し木接ぎ木をした植物が、根付いて枯れずに生長すること。
    過繁茂(かはんも)
    茎葉が過剰に茂りすぎている状態のこと。また、この状態により風通しの悪化や日照不足を起こし病虫害の被害が発生したり果実の着果や肥大などを妨げたりする様子を指す事もある。
    株張り型(かぶはりがた)
    シュンギクの種類で、株ごと抜き取って収穫するもの。シュンギクにはわき芽を収穫する「摘み取り型」もある。
    株間(かぶま)
    作物の種や苗を植え付ける際の株と株の間のこと。
    株元(かぶもと)
    野菜の根本の部分や、植物が土に触れている部分のこと。
    株分け(かぶわけ)
    植物を増やす方法の1つで、大きく成長した植物の株をいくつかに分けること。
    果柄(かへい)
    枝と果実を結ぶ柄のこと。
    花蕾(頂花蕾、側花蕾)(からい)
    株の中心や先端にできる蕾のこと。頂点にできる花蕾を「頂花蕾」、頂花蕾を収穫した後にわき芽からできた花蕾を「側花蕾」と呼ぶ。
    完熟堆肥(かんじゅくたいひ)
    わら、落ち葉、野草、家畜の糞などを十分に発酵させた肥料のこと。発酵が不十分な堆肥は未熟堆肥と呼ぶ。未熟堆肥は植物に害が出る恐れがある。
    潅水(かんすい)
    草木や農作物に水あたえること。給水と言う事もある。また、潅水の方法には「地表潅水」「点滴潅水」「頭上潅水」などがある。
    冠水(かんすい)
    大雨などが原因で、田畑や作物が水びたしになること。
    寒冷紗(かんれいしゃ)
    綿や化学繊維などで細かい網目状に編まれた布状の被覆資材のひとつ。主に遮光に用いるが、防寒、防風、水分蒸発抑制などの用途でも使用されている。
    気根(きこん)
    地上の部分の茎や幹から伸びた、空気中に露出している根のこと。
    拮抗作用(きっこうさよう)
    反対の作用をもつ要因が互いにその効果を打ち消し合うように働いてしまう作用のこと。アンモニア態窒素とカルシウムなど2種類の異なる肥料成分が植物への吸収を妨げ合うこと。
    切花鮮度保持剤・切花保存剤(きりばなせんどほじざい・ほぞんざい)
    切り花を長持ちさせ、つぼみを咲ききらせる効果がある。切り花を長く楽しむために使う。主に糖類や抗菌剤を配合して作られた資材。
    キュアリング
    収穫後に切り口から病原菌が入るのを防ぐため、切り口を乾かすことにより菌の侵入を防ぎ、果実の腐敗を防ぐ処理のこと。追熟させる目的もある。カボチャなどで広く行われている。
    吸汁(きゅうじゅう)
    植物に付着して、その養分を吸い取ること。アブラムシ類のように、針のような口を持つ害虫は、植物から養分を吸汁することで植物を弱らせる。
    休眠期(きゅうみんき)
    一時的に活動・生長を停止している期間のこと。
    切り戻し(きりもどし)
    伸びた枝や茎を途中まで切り詰めること。切り戻しを行う事により下から元気で新しい茎や枝が伸びてくるため、伸びすぎた植物の姿を仕立て直すことができる。
    クラウン
    植物の地際にある節間が短くなって肥大した茎の部分。形状が王冠に似ていることからクラウンと呼ばれる。例としては、イチゴやパイナップルの芽など。
    嫌光性種子
    発芽に光を必要としない植物の種のこと。ほとんどの植物は、発芽に光が必要なく、種まきの際、覆土を行う。
    耕耘(こううん)
    田畑を耕すこと。
    好光性種子(こうこうせいしゅし)
    発芽するために光を必要とする植物の種のこと。種まきの際は、覆土をしない、もしくは薄く覆土をする。
    コート種子(コートしゅし)
    自然に溶ける素材で表面をコーティングすることにより、一定の大きさ、形状に被覆造粒した種子のこと。野菜や花などの小粒種子や不整形種子に比べまきやすく、発芽時の病気予防のためにコーティング剤に殺菌剤が含まれているものなどもある。
    コンパニオンプランツ
    育てたい植物の近傍で栽培することによりよい働きをする植物のこと。「共栄作物」「共存作物」などとも呼ばれ、お互いの生長によい影響をもたらすとされている。アブラナ科植物とレタス、トウモロコシとマメ科植物、ユウガオと長ネギ等で効果が確認されている。
    根粒菌(こんりゅうきん)
    マメ科植物の根にこぶを作らせ、その中で生育しながら植物と共生する土壌細菌のこと。空気中の窒素をアンモニアに変換し、植物に必要な窒素を供給する代わりに、植物が光合成で生産した炭水化物を得て生存する。
  • 「さ」からはじまる用語一覧

    催芽(さいが)
    種をまく前に、あらかじめ発芽させておくこと。
    挿し木(さしき)
    植物を増やす方法の1つ。植物の枝や茎、葉を切り取って土や水に挿し込むことで根を出し、新しい株が育つ。
    直播き(じかまき)
    ポットなどで育苗せず、直接畑や庭にタネをまくこと。
    子房柄(しぼうへい)
    子房(雄しべが袋状になったもの)がついている部分のこと。主にラッカセイの花が咲いた後に地中にもぐっていく、硬くて茶色っぽい茎のような部分のことを指す。
    遮光(しゃこう)
    光を遮るために、ネットやよしず、寒冷紗などで覆いをすること。
    主枝(しゅし)
    主幹(1番太い枝)から直接枝分かれし、木の骨格となる枝のこと。主枝から出る枝を「側枝」と呼ぶ。
    種子消毒(しゅししょうどく)
    薬や熱などにより種子の殺菌をすること。
    種子などに付着している病原体を殺菌することにより、発芽から幼苗期にかけての感染を防ぐ方法。
    硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)
    土壌中にある無機態窒素の内の1つ。多くの野菜が硝酸態窒素を好む。土壌吸着しないため地下水などへ流亡しやすい。
    受粉(じゅふん)
    花粉が雌しべの柱頭につくこと。人為的に行う受粉を人工授粉という。
    樹勢(じゅせい)
    樹木の生育状態の事を指すが、水稲などでも樹勢と言う言葉を使う事がある。
    植物生長調整剤(しょくぶつせいちょうちょうせいざい)
    植物の生長を促進もしくは抑制するなど、植物の生長を調整する作用がある薬剤。品質向上や収量増加、生産上の労力軽減のために用いる。植調剤と略して呼ばれることも多い。
    初生葉(しょせいよう)
    インゲンやエダマメで子葉(双葉)が展開して最初に出てくる葉のこと。一般的には子葉が展開してから本葉が出るが、インゲンやエダマメは初生葉が出てから本葉が出る。
    除草剤(じょそうざい)
    雑草を取り除くために使用する薬剤のこと。茎葉処理型、土壌処理型、選択型など、様々な種類がある。
    条間(じょうかん)
    植物を植えた列のことを条と呼び、その条と条の間のこと。
    蒸散(じょうさん)
    植物が葉や茎にある気孔から水蒸気として体内の水分を外に出すこと。
    尻腐れ果(しりぐされか)
    トマト、ピーマン、トウガラシなどの果菜類に発生する生理障害。果頂部が黒く変色して陥没する。カルシウム欠乏が原因とされている。
    芯葉(しんよう)
    野菜などの中心から伸びてくる葉のこと。すでに開いている葉ではなく、 まだ開いていない葉のこと。
    水耕(すいこう)
    植物の生育に必要な養分を水に入れ、土壌の代わりに水溶液を培地として栽培する方法。水耕栽培。
    スリップス
    アザミウマ目(Thysanoptera)に属する昆虫の総称。和名はアザミウマ。花き、野菜、果樹に加害する害虫で高温乾燥時に繁殖する。孵化~羽化までがだいたい1週間とされ、発育が非常に速い。
    生長点(せいちょうてん)
    植物の茎頂及び根端。新しく細胞を作る分裂組織がある点のこと。
    施肥(せひ)
    肥料をあたえること。
    施肥量(せひりょう)
    植物を栽培する際に施用する肥料の分量のこと。面積あたりや株あたりの量で示されることが多い。
    剪定(せんてい)
    必要な枝を残し、不要な枝を切り落とすこと。樹木の姿を整える事で、日当たりや風通しが良くなり、病虫害の予防になるとともに健やかな生長を促すこととなる。
    側枝(そくし)
    主枝から出るわき枝のこと。
    速効性肥料(そっこうせいひりょう)
    あたえてすぐに効果の現れる肥料。一度の施肥量が多いと障害を起こす可能性があるので、注意が必要。追肥やお礼肥などに用いる。
  • 「た」からはじまる用語一覧

    耐陰性(たいいんせい)
    植物などが、日照不足や日光が少ない半日陰でも生育できる性質。元々半日陰を好む性質を指す場合と、基本的には日光を好むが、半日陰に適応する度合いが高い性質のことを指す場合がある。
    耐寒性(たいかんせい)
    植物が寒さや低温に耐えられる性質のこと。
    耐暑性(たいしょせい)
    植物が暑さに耐えられる性質のこと。
    堆肥(たいひ)
    土壌改良のために使用する農業資材で、稲わらや落ち葉、家畜のふん尿などの有機物を、微生物の働きで分解、醗酵させたもの。
    高畝(たかうね)
    通常のよりもより高く盛り上げたのこと。排水性、通気性が良いため、水はけが悪い土地や乾燥を好む植物の栽培時に利用される。
    立ち性(たちせい)
    植物が生長する際、枝や茎が立つように上に伸びる性質のこと。
    多年草(たねんそう)
    種まきや植え付けを行った後、花が咲き、種をつけるまでのサイクルを2年以上繰り返す植物のこと。
    玉直し(たまなおし)
    スイカやカボチャなどの実にまんべんなく日光を当てるため、それまで地面に面していた部分を、太陽の光が当たるように表に向ける作業のこと。全体に日光を当てることで、果皮の着色や果肉の熟度を均一にする。
    単為生殖(たんいせいしょく)
    本来は雌雄の両個体があって有性生殖を行う生物が、片方の個体のみで子孫をつくりだす生殖の仕方。
    窒素(ちっそ、N)
    園芸において肥料の3要素と呼ばれる肥料成分の1つ。窒素が不足すると、葉色が薄くなり果実は小さく収量も低下する。また、多過ぎると葉色は濃くなるが、葉が茂り過ぎて花実が着きづらくなり、軟弱徒長の傾向で病虫害を受けやすくもなる。
    着生(ちゃくせい)
    植物などが、他のものに付着して生育すること。養分をとることはなく、寄生とは異なる。
    着果(ちゃっか)
    植物が実をつけること。
    着花(ちゃっか)
    植物に花が咲くこと。
    着莢(ちゃっきょう)
    ソラマメなどのマメ類の花が咲いて莢(サヤ)がつくこと。
    中耕(ちゅうこう)
    作物の栽培中に、その周囲の土の表面を浅く耕すこと。作物の生育を促進させるため、土壌の通気性をよくする他、作物の根張りをよくする目的がある。
    抽だい(ちゅうだい)・トウ立ち(トウだち)
    茎が伸長し、花蕾が上がること。「トウ立ち」とも呼ばれている。気温や日長などが原因で、抽だいが起こると根の肥大不足や非結球などの障害が起こる。
    チョウ目(チョウもく)
    昆虫のグループの1つ。チョウやガなど、成虫の翅に鱗粉を持つ虫のこと。鱗翅目とも呼ばれる。
    追肥(ついひ)
    植物の生育状況に応じて生育期間中に追加であたえる肥料のこと。追肥には即効性の肥料を用いる事が多い。
    接ぎ木(つぎき)
    2つ以上の植物を切断面で接着し、1つにすること。根になる方を台木と呼び、台木の方が強く性質が出る。温度ストレスや病気に強い台木を用意する事で収量を増やす事が期待できる。また、台木に栄養が取られない様に、台木に出てきた芽はこまめに取り除くように注意が必要。
    土寄せ(つちよせ)
    作物の生長にあわせて株元に土を寄せ集めること。根の露出を防ぎ、作物の倒伏軽減につながる。
    摘み取り型(つみとりがた)
    シュンギクの種類で、わき芽を摘み取り収穫するもののこと。摘み取り型以外には、根ごと抜き取って収穫する「株張り型」がある。
    つる枯病(つるがれびょう)
    スイカ、キュウリ、カボチャなどのウリ科植物に発生する。茎が灰色から黄褐色に変色し、黒い斑点を生じた後につるが萎れて枯死する病害。高温多湿の時に起こりやすく植物体に長期間潜伏するので、病害の発生した個体は抜き取って処分が必要。
    つるボケ
    植物の葉や茎ばかり生長し、花や果実がつきにくくなる状態。
    定植(ていしょく)
    仮植えした苗や、育苗箱やポット・鉢などで育てた苗を、最終的に育てる場所に植え替えること。
    底面給水(ていめんきゅうすい)
    鉢の上からではなく、鉢の底の貯水部分から植物に水をあたえること。水やりの際に茎葉をぬらさないことで病害の発生を減らすことができる。
    摘果(てきか)
    園芸において、果実が多過ぎる時や不要な実がある場合、良質の実を作るため実が幼く小さいうちに適量を残し摘み取り間引きを行うこと。
    摘花(てきか)
    着果を促し果実の発育を助けるために、花を摘み取ること。開花させないでつぼみの状態で摘み取ることを摘蕾(てきらい)という。
    摘芯(てきしん)
    剪定の1種で、側枝の発達を促したり,草丈を制限したりすることを目的として枝やつるの先端を摘み取ること。
    摘房(てきぼう)
    房を切り取り、木全体の房数を調整すること。
    摘葉(てきよう)
    葉を摘み取ること。病気の発生源となる古い葉を取り除いたり、通気性や採光性をよくするために葉を間引いたりする。
    摘蕾(てきらい)
    余分な養分の消費を抑える為につぼみを摘み取り数を減らすこと。このことにより残ったつぼみから出来る花や果実を大きくする事が出来る。
    摘粒(てきりゅう)
    結実後、果粒を間引くこと。栄養の行き先を少なくすることで、残した果粒を大きくする。
    展開(てんかい)
    広がること。植物が葉などを広げる(展開する)。
    展着剤(てんちゃくざい)
    農薬を植物や害虫に付着しやすくするために加用する薬剤のこと。水和剤を水に均一に混ざりやすくするためにも用いる。展着剤そのものには殺虫、殺菌、除草などの効果は持たない。
    天敵(てんてき)
    特定の生物を攻撃したり、繁殖能力を低下させる多種の生物のこと。害虫などの有害生物による被害を軽減させる。有益生物や、有用昆虫などと言う事もある。
    特定防除資材(とくていぼうじょしざい)
    「その原材料に照らし農作物等、人畜及び水産動植物に害を及ぼすおそれがないことが明らかなものとして農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬」と定義づけられている資材の事で、特定農薬とも呼ばれている。「重曹」、「食酢」、「地場で生息する天敵」がこれに相当する。
    土壌改良剤(どじょうかいりょうざい)
    植物の生育に適した土壌にするために使用する資材のこと。土壌中の病原菌や害虫により作物への被害を防いだり、通気性、保水性、排水性土壌酸度などを人為的に整える効果がある。
    徒長(とちょう)
    日照不足や水分および窒素過多などが原因で起こる症状で、植物の茎や枝が通常よりも長く伸びること。
  • 「な」からはじまる用語一覧

    中生(なかて)
    作物の収穫までの期間が早生晩生の中間に位置するもの。開花や結実が、比較的日長などに左右されないものが多い。
    中干し(なかぼし)
    イネの生育途中に、田の水を落として地表を乾かすこと。土に酸素を供給して根の生長を促したり、肥料の吸収量を調整したりする効果がある。
    二年草(にねんそう)
    種をまいて1年以上経ってから花を咲かせ、2年以内に枯れる植物のこと。「二年生植物」とも呼ばれる。
    根腐れ(ねぐされ)
    植物の根が腐った状態のこと。生育場所の環境が合わない、水のあたえすぎ、病気など様々な要因がある。
    根鉢(ねばち)
    鉢やポットの中で植物の根が回り、土とひとかたまりになった状態のもの。
    根張り(ねばり)
    根が土の中で張り広がることや、根の張り具合のこと。
    根回し(ねまわし)
    樹木などの移植をする際に植え傷みを少なくする手法の1つで、移植の1~2年前に広がった根を、中心に根もとを残してあらかじめ切り、細根の発生を促すこと。
  • 「は」からはじまる用語一覧

    灰色かび病(はいいろかびびょう)
    糸状菌による植物の病害で、茎葉や花実に灰色のかびが生える。病斑は株全体に広がり腐ってしまう。湿度が高いと起こりやすい。
    ハイドロカルチャー
    ハイドロ=水、カルチャー=栽培。土を使わない水(耕)栽培のこと。土の代わりに粘土を焼いてつくった発泡煉石などを使うこともある。
    葉かび病(はかびびょう)
    糸状菌が原因でハウスや温室栽培のトマトに多く見られる病害。初期は葉表に淡黄色の斑点が現れれ、病気が進行すると葉裏に灰白色のかびが生える。カビは徐々に色が濃くなっていく。土壌に菌が残留するので注意が必要。
    葉挿し(はざし)
    植物を増やす方法の1つで、切り取った葉を土に挿して増やす方法。葉に水分や栄養分を貯めている多肉植物でよく行われる。
    播種(はしゅ)
    植物の種子をまくこと。
    鉢上げ(はちあげ)
    挿し芽や種子をまいて育てた苗を、苗床から鉢に移植すること。
    鉢底石(はちぞこいし)
    水はけをよくするため、植木鉢やプランターの底に敷き詰める石のこと。
    鉢底ネット(はちぞこネット)
    水はけをよくするため、植木鉢やプランターの底に敷くネットのこと。防虫対策にもなり、ナメクジなどの害虫が鉢底の穴から入ってくるのを防ぐ。
    発芽(はつが)
    種の中にあった幼芽や幼根が種皮を突き破って出てくること。土から芽が出てくることは出芽という。
    花振るい(はなぶるい)
    花が咲いても適切に受粉、結実が出来ないままに、花が落ちてしまうこと。
    バーミキュライト
    苦土蛭石(くどひるいし)という鉱物を加工し、ガーデニング用として使用できるようにしたもの。通気性、保水性、保肥性に優れており、光沢があるのが特徴。基本的に土壌改良材として土に混ぜて使用するが、単体で挿し木用土としても使用される。
    葉焼け(はやけ)
    葉が茶色くなったり白く色が抜けたように変色してしまう現象。 直射日光などの環境が原因で起こることが多い。
    葉水(はみず)
    葉にかける水のこと、また、霧吹きなどで霧状にまんべんなく葉を濡らす行為。どちらのことも葉水と言う。
    半ほふく性(はんほふくせい)
    植物が生長する際、枝が上にも横にも伸びるような、立ち性ほふく性両方の性質を持つものを半ほふく性という。
    肥効(ひこう)
    肥料をあたえる事により植物の生育に現れる効果のこと。
    ピートモス
    苔などの植物が長い時間を経て腐植化し、泥炭となったものを乾燥させた土壌改良材。酸度を調整しているもの(pH6程度)と、無調整のもの(pH3~4程度)の2種類がある。保水性や保肥性の改善には、酸度調整済みのものを使用し、アルカリ性に傾いた土壌を中和する場合は無調整のものを使う。
    肥料成分(ひりょうせいぶん)
    肥料の中に含まれている元素のこと。窒素、りん酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ほう素など。
    微量要素(びりょうようそ)
    肥料成分のうち、微量しか要らないが不可欠なものとされているもの。鉄分、マンガン、ほう素、亜鉛、銅、モリブデンなど。
    ピンチ
    摘芯のこと。(剪定の一種で、側枝の発達を促したり,草丈を制限したりすることを目的として主枝や蔓の先端を摘み取ること。)
    覆土(ふくど)
    種や球根を植え付けたときに上からかける土のこと。土壌の乾燥を防ぐ効果があるが、覆土が厚過ぎる場合は多湿になったり風通しが悪くなったりすることにより発芽を妨げることがある。発芽に光が必要とする好光性種子に覆土はしない。
    腐葉土(ふようど)
    落ち葉などが時間とともに分解され、土のようになったもの。堆肥の1種。水はけや水もちの改善、土壌内の養分を増やす目的で利用される。
    ブルームレス台木(ブルームレスだいき)
    ある種のカボチャの台木で、キュウリに接ぎ木することによってキュウリの果皮表面に発生するブルーム(白いロウ質の粉状物質)の発生を抑えるうえ、果皮の光沢が増す。
    分球(ぶんきゅう)
    増殖した球根を個々に分けて増やす方法。球根植物の多くは、親球の隣に新しい子球を作って増殖し、これも分球と呼ぶ。
    分げつ(ぶんげつ)
    イネ科などの茎の根元から新しい茎が生えてくること。分けつともいう。
    べと病(べとびょう)
    露菌病ともいわれる。糸状菌による病気で、葉に褐色の斑紋が生じる。病気が進行するとすす状のかびが生え、さらに進行すると病斑の中央部が黒変し枯死することもある。梅雨時の様な湿度の高い時に蔓延しやすい。
    pH(ペーハー)
    酸性とアルカリ性の度合いを示す単位。pH7.0を中性とし、酸性<pH7.0<アルカリ性となる。多くの作物は土壌pH5.5~6.5が好適となる。
    穂木(ほぎ)
    接ぎ木を行う際に、増やしたい植物の枝の台木に接着させるさし穂のこと。
    穂ばらみ期(ほばらみき)
    イネやムギなどの穂が出る前に、穂を包んでいる部分がふくらむ時期のこと。
    ほふく性(ほふくせい)
    植物が生長する際、地面を這うように枝を伸ばす性質のこと。
  • 「ま」からはじまる用語一覧

    又根(またね)
    ダイコンなどの根が、土壌中の石にぶつかるなどして、2股以上に分岐している状態のこと。
    間引き(まびき)
    複数の種をまいて発芽させた後、苗が密植した状態から、良い苗を残して他を取り除き、十分な間隔をあけること。
    マルチ
    畑のやプランターなどの土の表面をビニールシートやわらなどで覆う方法。英語の「マルチング」を略した言葉。地温の調節や雑草の抑制など様々な効果を目的として行われる。
    実生株(みしょうかぶ)
    種から育てられた株のこと。
    水揚げ(みずあげ)
    切り花の切り口を切り戻ししたり、時には割ったり叩いたりして水を吸い上げやすい状態にし、切り口を水の中に入れて吸水させること。
    芽かき(めかき)
    1つひとつの実を大きく生長させるために、不必要なわき芽を取り除くこと。
    木質化(もくしつか)
    植物体内の細胞間を強固にするリグニンが増えることで、茎が茶色に変色して木のように硬くなること。
    元肥(もとごえ)
    種まきや苗の植え付けをする前に、あらかじめ土にまいておく肥料のこと。
  • 「や」からはじまる用語一覧

    薬剤散布(やくざいさんぷ)
    殺虫剤や殺菌剤などの農薬を散布すること。
    誘引(ゆういん)
    植物の茎や枝、つるを支柱に結び付けて固定する作業。つる性の植物や、実が大きくなるような植物に行う。
    有機質肥料(ゆうきしつひりょう)
    油粕や魚粉、鶏糞など、植物性または動物性の有機物(生物由来の資源)を原料にした肥料のこと。
    養液栽培(ようえきさいばい)
    土を使わずに、植物の成長に必要な水と養分を液肥(培養液)としてあたえる栽培方法。
    幼穂(ようすい)
    イネやムギの茎の中にできる穂の元となる幼い穂のこと。
    葉柄(ようへい)
    葉の一部で、茎や枝につながる細い柄の部分。
    葉面散布(ようめんさんぷ)
    肥料や養分を葉に散布し、葉面から吸収させること。
    4倍体(よんばいたい)
    体細胞の染色体が生殖細胞の染色体の数の4倍になったもの。一般的な植物の体の細胞の染色体の数は、生殖細胞の染色体の数の2倍になっており、これを「2倍体」という。4倍体はブドウなどでよく目にする言葉で、2倍体のものより粒が大きいなどの特徴がある。
  • 「ら」からはじまる用語一覧

    ランナー
    親株からつるのように伸びる茎のこと。イチゴなどでみられ、クラウンから伸びて子株をつくる。
    リサージェンス
    害虫防除のために農薬を散布すると、害虫が散布前よりも多くなってしまう現象のこと。原因としては、害虫を減らしてくれる天敵にも影響がある農薬を使用するなど。
    鱗翅目(りんしもく)
    チョウ目のこと。昆虫のグループの1つ。チョウやガなど、成虫の翅に鱗粉を持つ虫のこと。
    裂果(れっか)
    果実が熟し過ぎたり、急激な吸水など生理的な要因によって果実が割れること。
    裂球(れっきゅう)
    キャベツなどの外側の葉が割れてしまうこと。
    連作障害(れんさくしょうがい)
    同じ植物や同じ科の植物を同じ場所で続けて栽培すると起こる生育障害。
    ロゼット
    植物が葉を放射状に広げて地面にぴったりつけた状態のこと。
  • 「わ」からはじまる用語一覧

    わき芽(わきめ)
    葉や茎の付け根から出てくる新しい芽。
    早生(わせ)
    同じ作物の中でも成熟が早く、種まきしてから収穫までの期間が短いもの。